2009年2月5日木曜日

セブン‐イレブンの正体 古川琢也



本書は出版物取次最大手のトーハンによって書店取次ぎを拒否されたいわくつきの書籍である。

本書が、トーハンの現副会長にして、セブン・イレブン・ジャパンの会長である鈴木敏文氏が不利益をこうむる内容だからだ、というのが主な取次ぎ拒否の理由だそうだ。

後ろめたい事実を隠したい、という態度が余計にこの本の記述に信憑性を持たせてしまっているのがなんとも皮肉な結果である。

小売業界最大手の巨大企業にして、一般的イメージでは優良企業とされているセブン・イレブン。

本書ではそんなイメージとはかけ離れたセブン・イレブン内部の黒い実態を告発する。

●売れ残りの弁当などの廃棄分の損失を加盟店オーナーに押し付ける
通常の会計では考えられない「ロス・チャージ」会計、

●加盟店オーナーは独立事業主であるにもかかわらず取引先業者からの
請求書を本部がオーナーに見せないという異常な実態、
またそれによって明るみになりつつある「不当なピンハネ」問題。

本書では上の二点のように加盟店オーナーサイドの問題を主に扱っている。

本書で書かれているセブン・イレブンの実態があまりに黒すぎて、著者サイドがいわゆる被害者たちの立場から一方的にセブン・イレブンを悪役に仕立て上げているという風にも見えなくもない。

だからこそ、冒頭に述べたような取次ぎ拒否という手段に出たのだろうが、意見を封殺しようとするのは逆効果だとは思うが。

読み物としては、「ロスチャージ会計」についてはその会計のからくりの巧妙さゆえ伝わりにくいところもあるが、それ以外のところは平易な文章で読みやすい。

「ピンハネ疑惑」の章で、ひとつ、またひとつと証拠があがっていき、疑惑の実態が浮かび上がっていく構成は図らずもわくわくさせられた。

最後の弁当工場潜入ルポは、筆者による体当たりルポでセブン・イレブンの末端の末端である弁当工場で筆者が数日間アルバイトしてあまりの過酷さからボロボロになる様が綴られている。なかなか読みごたえがある。